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光触媒は他の抗菌・除菌と何が違うのか?

この10年ほど(※実際には2000年代以降とも言えるかもしれません)、“抗菌・除菌”という言葉はすっかり私たちの生活に浸透しました。住宅設備や生活雑貨には「抗菌加工」が施され、ドラッグストアには除菌スプレーやアルコール製品がずらりと並んでいます。

私たちがご提案している「ナノゾーンコート」や「ナノソルCC」も、抗菌・除菌を目的としたさまざまな現場で活用されています。

けれども、ひとくちに“抗菌・除菌”といっても、その技術にはいくつもの異なるメカニズムがあり、効果の質や持続性は大きく異なるということは、あまり知られていません。

そこで今回は、「ナノゾーンコート」「ナノソルCC」の原材料である光触媒素材「自己結合性酸化チタン」の開発者であり、ナノゾーンジャパン技術顧問の高松正幸先生(右の写真)にお話を伺いました。

 

「光触媒は他の抗菌・除菌と何が違うのですか?」

アルコールや次亜塩素酸との違い

高松先生によれば、アルコールや次亜塩素酸などの除菌剤は、濡れている間だけ効く、一時的な対処法です。乾いてしまえば効果はなくなり、何度も繰り返し使う必要があります。つまり「即効性」はあっても「持続性」はない。そのため、使用後すぐに新たな菌やウイルスが付着すれば、再び感染リスクが発生します。

また、ウイルスや菌の種類によって効き目に差があるのも課題です。たとえばアルコールはインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスには有効ですが、ノロウイルスには効果がありません。

 

銀イオンや抗菌樹脂などの「抗菌加工」との違い

「抗菌」と表示されている製品の多くは、特定の菌に対して、一定時間後に菌数が減少することを確認する試験を経ています。

つまり、抗菌加工された表面に菌が付着しても、すぐに作用するとは限らず、“時間をかけて”効果が出るという性質を持つものがほとんどです。

またその効果は、素材や使用環境、対象菌の種類によっても左右されやすく、実際の生活環境では期待通りの効果が得られないことも少なくありません。

 

光触媒がもたらす「継続する瞬間除菌」という考え方

ここで注目すべきは、私たちが採用する光触媒技術――とりわけ、酸化チタンを使った光触媒の特性です。

光触媒は、光(主に紫外線や可視光)が当たることで活性酸素を発生させ、有害な有機物を分解するという働きを持ちます。

特に、酸化チタン光触媒には、以下のような特徴があります:

  • 種類を問わず
    酸化チタンは、ウイルス・菌・ニオイなど、有機物であればその種類を問わず分解します。
  • 変化せず
    酸化チタンは光触媒反応を繰り返しても、自身が消耗したり、性質が変化することはありません。また、他の物質の影響も受けず、常に安定した効果を発揮し続けます。
  • 分解し続ける
    酸化チタンは、一度コーティング面に定着すると、表面が剥がれない限り、持続的に有害物質を分解し続けます。

だからこそ実現できる「継続する瞬間除菌」

光が当たり続ける限り、空気中や接触した有害物質をその場で分解し、しかも分解し続ける。
これは除菌剤でも抗菌加工でも実現できない、光触媒ならではの抗菌です。

 

 一点、補足しておきたいこと

今回ご紹介した「光触媒」の特性は、すべての酸化チタン製品に共通するわけではありません。

実は、一般的な酸化チタン粒子を施工面に定着させるには接着剤が必要です。しかし接着剤を使うと、酸化チタン粒子が十分に表面に露出せず、酸化分解の力が十分に発揮されにくくなります。

「ナノゾーンコート」「ナノソルCC」は、酸化チタンそのものが表面と自己結合する「自己結合性酸化チタン」を使った光触媒製品です。これにより、理論通りの光触媒反応を、実用レベルで安定的に再現できるのです。この点については、改めて別の記事で詳しくご紹介しますので、ぜひご覧ください。

今後も高松先生に伺った「自己結合性酸化チタン」や光触媒の技術的特性、さまざまな応用分野についての解説をシリーズでお届けしていきます。

どうぞご期待ください。

 

 

 

 

 

(マーケティング 丹羽)

nanozone COAT MAP