開発者コラム⑦ ダニ対策に光触媒?アレルギーを軽減する新しいアプローチ
皆さんは「ダニ」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?実は、私たちの生活空間には、目に見えないほど小さなダニがたくさん潜んでいます。布団や毛布、枕、カーペット、畳、ソファなど、柔らかくて温かい場所が彼らの住処です。人の皮膚から剥がれ落ちた角質などをエサにして生きており、その死骸やフンが空気中に舞うことで、アレルギーの原因になることがあります。
アレルギーといえば、食べ物や花粉、PM2.5などが有名ですが、実は「ダニアレルギー」は非常に歴史が長く、根深い問題です。対策の第一歩は、こまめな掃除。特に掃除機を使って、ダニやその死骸を取り除くことが重要です。
ところで、ダニと一口に言っても種類はさまざま。私たちの皮膚には「ニキビダニ」と呼ばれる、健康維持に役立つとされるダニもいます。一方で、野山に生息し、吸血して病気を媒介する「マダニ」や、皮膚病を引き起こす「ヒゼンダニ」など、注意が必要な種類も存在します。
また、ダニと似た形態を持つ「クモ」にも興味深い話があります。オーストラリアのお客様から、「ナノソルCCをクモの巣に吹きかけると分解されて消えた」という報告をいただきました。実際に日本でも試してみたところ、同様の結果が得られました。これは光触媒の分解力によるものと考えられます。
さて、本題に戻りましょう。アレルギーの原因となるダニは、主に「ホコリダニ」や「ヒョウダニ」です。生きているダニは自ら動き、環境に違和感を覚えると移動します。例えば、酸化チタンの分解反応のような刺激を足先で感じると、その場所から逃げようとするのです。
ただし、布団や枕などにしっかりしがみついているため、睡眠中に生きたダニを大量に吸い込むことはあまりありません。実際にアレルギーを引き起こすのは、死骸や破片などの「動かないダニ」が主な原因です。
アレルギー反応は、ある程度の量のアレルゲンを吸い込むことで起こります。また、複数の要因が重なって発症することも多く、ダニだけでなく、卵や小麦粉などと組み合わさって複雑に作用することもあります。ちなみに、アルコールのように皮膚から吸収されて反応を起こす物質もありますが、ダニの死骸や破片は皮膚から吸収されないため、接触だけでアレルギーが起こることは考えにくいです。
そこで注目したいのが、光触媒による分解作用です。ナノゾーンコートを施工した表面にダニの死骸や破片が触れると、分解が進み、空気中に舞う量が減少します。これにより、アレルギー反応の軽減が期待できるのです。
実際に、ダニアレルギーに悩む看護師さんのお子さんが、布団や枕、部屋全体にナノゾーンコートを施工したことで、症状が劇的に改善されたという報告がありました。その後、同様の悩みを持つ他の看護師さんたちも試してみたところ、同じような改善が見られたとのことです。これらの事例から、ナノソルCCがダニの卵などにも作用し、持続的なアレルギー対策として有効である可能性が示唆されています。
ただし、すべてのダニに効果があるわけではありません。例えば、鶏に寄生する「ワクモ」という大型のダニ(体長1.5〜2mm)は、動きが速く殻も丈夫なため、ナノソルCCによる分解が難しいことがJA総合研究所の試験で確認されています。ワクモも死ねば分解されますが、生きたままでは効果が及ばないようです。
ダニ対策は、掃除だけでは限界があります。光触媒の力を活用することで、より快適で安心な生活環境を整えることができるかもしれません。ナノソルCCが、皆さんの暮らしを少しでも快適にする一助となれば幸いです。
広報:清水